九月十四日

 どうにも明日は祖父の法事へ行くようだった。なので祖父との思い出をぽつりぽつりと思い出していた。書きませんよ? 思い出は自分の中に蓋をしてしまっておくから思い出として機能してくれるんです。 そうなんですか? 初めて知った。

 この不定期開催日記が始まっておよそ一ヶ月になる。書き始めた当時は熱風が蛇のように絡みついてくることに喘いでいて、寝苦しさが夜に常備されていたのだけれど、今朝お気に入りのブランケットがない肌寒さで目を覚ますとはさすがに思っていなかった。季節が過ぎるのは早いものだがさすがに秋をスキップしたような天気は望んでいなかった。天気UNOはやめてほしい。
 どこかに地球儀によく似た「天気儀」なる道具を持つ人がいて、そいつはきっとだらしがないのだろう、いたずらに天気を弄り散らしている。そんな想像をしていたら一日が終わりかけていました。いやあ空想少女は可愛いねぇ。もしもわたしが少女であれば多少なり救われたかもしれない。

 秋冬になると視界が透明度を帯びてきて、わたしはその感覚が好きです。人がいなくて、空気は透明、最高なんじゃないですかね。どうですか。